相続について

相続をお考えの方へ

 自分の死後、親族にどのように資産を残したらいいのか、通常は遺言書を作成することになりますが、遺言書作成の助言、提案を行います。
 また、これから相続人との話し合いをどのようにして進めていけばよいのか分からないという場合にも、ご相談ください。当事者間での話し合いの進め方についても助言します。

弁護士に相続相談

自筆証書遺言について

 自筆証書遺言は、最も簡単に作成することができる遺言です。その方式は遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、押印するだけで足ります(民法968条1項)。
 ただし、自筆証書遺言の本質的要件ともいうべき「自書」の要件については厳格な解釈がされます。
 
パソコンやタイプライターによって作成されたものは「自書」の要件を満たさず無効です。録音テープ・ビデオによる遺言も編集・改ざんのおそれがあり無効です。
 
日付は、遺言能力の有無や遺言が複数ある場合における先後の判断をするうえで重要なものですので、「自書」する必要があり、ゴム印などによる記入は無効です。また、年月日が特定される必要があり、年月のみで日が記載されていない遺言や「昭和四拾壱年七月吉日」と記載された遺言も無効です。
 
氏名は遺言者を特定するために要求されるものですから、戸籍上の氏名でなくても、また、通称名であっても有効です。
 なお、押印は、実印に限らず、認め印でもよく、また、指印も有効です。

 

遺留分について

 遺留分とは、被相続人の一定の近親者に留保された相続財産の一定の割合であり、被相続人の処分によって奪うことのできないものをいいます。
 本来、被相続人には自らの財産を自由に処分する権利があります。しかし、相続制度は、遺族の生活保障および潜在的持分の清算という機能を有しているとされます。
 そこで、被相続人の財産処分の自由と相続人の生活保障との調和の観点から設けられた制度が遺留分制度です。
遺留分権者は、兄弟姉妹を除く法定相続人、すなわち、配偶者、子、直系尊属になります。子の代襲相続人も子と同じ遺留分を持ちます。
 遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人であるときは1/3、その他の場合は1/2になります。遺留分を有する者が数人いる場合には、相続財産の1/2あるいは1/3のうち、相続分に対応する部分が遺留分になります。

 

特別受益について 

 特別受益とは、共同相続人間の公平を図ることを目的に贈与を相続分の前渡しとみて、当該贈与を相続財産に加算して相続分を計算し直す制度です。
 特別受益の類型としては、①遺贈、②婚姻若しくは養子縁組のための贈与、③生計の資本としての贈与、の三類型があります。
 親が子に贈与を行ったとしても、扶養義務に基づく援助の場合には対象外となります。
また特別受益があったとしても、持戻しの免除が認められることもあります。持戻しの免除とは、被相続人の意思により、特別受益たる当該贈与を相続財産に加算しないことが認められるものです。すなわち、被相続人の意思が、特定の相続人を特別扱いするというものであれば、その意思が尊重されるということになります。

 

寄与分について

 寄与分とは、被相続人の財産の維持または形成に特別の寄与・貢献をした相続人がいる場合に、その相続人に対し、法定相続分に寄与分を加えた財産の取得を認める制度です(民法904条の2)。
 例えば、長男が実家に戻り家業を手伝い、会社の発展に大きく貢献したものの、父親と雇用契約を締結しておらず、報酬をこれといって受けとっていなかった場合、遺産分割の際、家業をなんら手伝わなかった次男と同じ相続分になってしまうことは不公平であり、寄与分を加算したものを長男の具体的相続分とします。
 寄与分は、まず共同相続人の協議でこれを定める(民法904条2第1項)とされ、協議が整わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が審判で寄与分を定めることになります(民法904条2第2項)。

 

相続放棄について

 相続放棄は、相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所にその旨を申述する必要があります。
 もっとも、例外として、相続人において、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じ、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて、相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情がある場合には、相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から3ヶ月以内に申述をすることが認められます。
 それでは、債務を含む相続財産全部を一人の相続人に相続させる旨の遺言がある場合や相続人間でかかる合意をした場合に実質的に相続をしなかった相続人は、1年後、債権者から請求を受けて、相続放棄をすることが認められるでしょうか。
 
 この点、相続財産が全く存在しないと信じた場合のみならず、自らが相続財産を全く承継することがないと信じた場合にも相続放棄できる期間の起算点を遅らせ、債権者から請求を受けて債務を承継すべき立場にあることを知った時から起算すべきとする判例もあります(東京高決平成12年12月7日判タ1051号302頁)。
 しかし、相続人が相続すべき積極及び消極財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常認識しうべき時から起算すべきとする判例(高松高決平成13年1月10日家裁月報54巻4号66頁)もあり、この立場からは債務について認識があれば、その時点から起算されることになります。原則として、積極財産であっても消極財産であっても相続財産について一部でも認識がある場合には、その時点から起算点が認められると考えられます。もっとも、積極財産を認識していてもその財産的価値がほとんどなく、消極財産について全く存在しないと信じ、かつそのように信じることについて相当な理由がある場合には、相続財産が全く存在しないと信じた場合と同視できるので、その場合には、その積極財産以外の相続財産について、その全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算点が認められます(東京高決平成19年8月10日家裁月報60巻102頁)。

 

廃除について

 廃除とは、被相続人が推定相続人の非行等を理由として、家庭裁判所の審判または調停によって相続人の相続権を奪う制度です。
 廃除される対象者は、遺留分を有している推定相続人です(兄弟姉妹を除く相続人)。遺留分を有していない相続人に対しては、その者に相続させないとする遺言を作成すれば、被相続人の意思は実現できます。
 廃除の具体的な方法としては、①被相続人が生前に家庭裁判所に請求をする方法(民法892条)と②遺言で廃除の意思表示をする方法(民法893条)があります。後者の場合は、遺言執行者が遺言の効力が生じた後に遅滞なく家庭裁判所に廃除の請求を行う必要があります。
 廃除された者は相続権を失いますが、廃除された者に子がいる場合には代襲相続が生じます(民法887条2項)。

よくある質問(相続について)

 相続発生後、何をするのか?

 まずは、遺言書の有無を確認する必要があります。遺言書の有無を確認し、遺言書がない、あるいは、遺言書はあったが、遺言と異なる遺産分割を行うことを相続人及び受遺者が合意した場合には遺産分割協議に入ります。
 弁護士や信託銀行が遺言書を保管している場合には、相続発生の事実を伝え、遺言書を見せてもらいます。それ以外の場合は、被相続人の自宅で遺言書がありそうな場所を相続人自らが探す必要があります。
 公正証書遺言については、公証役場で遺言書の有無を検索することが出来ます。なお、遺産分割協議と並行して、相続税のことも考えておく必要があります。

被相続人の自宅で遺言書が見つかったら、どうするのか?

 遺言書を発見した相続人は、相続の開始後、遅滞なく、遺言書を家庭裁判所に提出して、その検認手続を受けることが法律上、求められています。
 また、封印のある遺言書は、すぐに開けてはいけません。家庭裁判所において、相続人又はその代理人の立会いの下、開封することに法律上なっています。
 封印とは、封に印が押されていることですが、封に印が押されていなくても糊付けされている遺言書は、そのまま家庭裁判所の検認手続を受けた方がよいと思います。 

相続税はいつ、どのような場合に支払うのですか?

 相続税の申告・納税期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内とされています。一般的に、相続の開始があったことを知った日とは、被相続人が亡くなった日になります。相続税の申告書を被相続人の住所地の所轄税務署に提出します。なお、遺産分割協議が整わない場合であっても、法定相続分で相続したと仮定して申告・納税をしなければなりません。
 遺産の総額が相続税の基礎控除額を上回る場合に、相続税の支払を検討する必要が生じます。相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の人数」です。

遺言書が見つかったのですが、父親は遺言書作成当時、認知症だったので無効ではないですか?

 遺言者は、遺言作成当時、遺言能力を有していることが必要になります。
その判断基準ですが、民法上、15歳に達していれば単独で有効に遺言ができるとされますが、遺言能力の具体的な判断基準は必ずしも明らかになっていません。遺言能力は、遺言書作成当時の遺言者の状態が問題になるのですが、遺言者の病状に関する医師の診断が絶対的なものではなく、法的な判断になります。
したがって、特定の相続人の意思が遺言者に強く影響する可能性の有無、遺言の内容・作成経緯を総合的に勘案して、個別具体的な判断になります。

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